1.4研究目的

動物は、世界各国の文化と深くかかわっており、動物信仰は、珍しくない。日本の動物信仰の一つに、狐信仰がある。現在でも、狐信仰は日本に残っており、伝統的民俗の文化と融合し、日本人の生活に大きな影響を与えている。

さて、日本の文化を語る上で欠かせないものの一つに、アニメがあげられる。このアニメにも、狐信仰の影響を受けたといえるものが数多くある。現在の日本のアニメは、世界的な影響も大きく、日本文化を他国へと伝搬させる意味においても、その存在を抜きにして考えることはできないのではないだろうか。

そこで今回の研究では、日本のアニメに登場する狐のキャラクターに注目し、日本の狐信仰と絡めながら、考察していくことにする。筆者は、アニメに登場する狐のイメージが、元々民間に存在した狐信仰から来ているものだと考える。よって、そのイメージを分析することで、日本人が抱く信仰の本質をかいまみようと試みる。来,自|优;尔`论^文/网www.chuibin.com

2. 日本の狐信仰についての考察

2.1日本の狐信仰とは

古代では、技術や環境などが発達していなかったので、人間は自然の力を信じていた。

王琦（2010）は「人類はまだ限られた知識しか持っておらず、ただ無知蒙昧な推測で物事を推し量っていた。自身の生存には、自然の力や神秘的な力が働いているのだと解釈し、その脅威の前には、抵抗しがたかった。」と指摘している。

農耕の時代であっても、動物は人間の生活に欠かせないないものであった。人間にとって、動物は食べ物である。動物の死亡が人間の生存を支え、その動物の恩情を必ず返さなければならないという考え方から、原始的な動物信仰が生まれた。狐もこのようにして、崇拝の対象として信仰されるようになっていったのである。